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第3回水炊き雑学講座

皆さんこんにちは!
金色、更新担当の中西です。

 

本日は第3回水炊き雑学講座!

今回は、歴史についてです

 

水炊きは、鶏肉をじっくりと煮込んで旨味を引き出す鍋料理であり、日本の食文化の中でも特に歴史が深い一品です。福岡・博多を代表する郷土料理として知られていますが、全国的にも親しまれており、シンプルながら奥深い味わいが特徴です。

水炊きの起源を探ると、中国の火鍋や関西の「鶏鍋」の影響を受けながら、日本独自の進化を遂げた料理であることが分かります。本記事では、鶏の水炊きの歴史やその背景、全国の水炊き文化の違い、現代の水炊きの進化について深く掘り下げていきます。


1. 水炊きの起源:日本への鍋文化の伝来と発展

① 鍋料理のルーツ:中国からの影響(紀元前~平安時代)

鍋料理の歴史は非常に古く、中国の火鍋(フォンゴ)がその起源とされています。

  • 中国の火鍋(紀元前~唐時代)

    • さまざまな食材を煮込む料理で、薬膳としても利用された。
    • 牛骨や羊肉を使った白湯スープが、後の水炊きのルーツと考えられる。
  • 日本への伝来(奈良~平安時代)

    • 中国の鍋文化が日本に伝わる。
    • 平安時代には、貴族の間で「湯漬け(お粥のような煮込み料理)」が食べられていた。

しかし、この時点では「鶏肉」をメインにした水炊きはまだ誕生していませんでした。


② 鶏肉と鍋料理の発展(室町~江戸時代)

日本では、室町時代から鶏肉を使った鍋料理が少しずつ登場していきます。

  • 室町時代(14~16世紀)

    • 「闘鶏(とうけい)」文化の影響で、鶏肉を食べる習慣が生まれる。
    • 「鶏鍋(鶏肉を味噌や醤油で煮込む鍋)」が一部の地域で食べられていた。
  • 江戸時代(17~19世紀)

    • 「軍鶏鍋(しゃもなべ)」が誕生し、鶏肉鍋の原型となる。
    • 水炊きのような「白濁スープ」はまだ一般的ではなかったが、鶏肉を煮込む文化が定着。

この頃の鍋料理は、味噌や醤油をベースにした「すき焼き風」の味付けが主流でした。しかし、のちに福岡で独自の進化を遂げ、「水炊き」として確立されていきます。


2. 博多水炊きの誕生と発展(明治~昭和時代)

① 博多水炊きのルーツ(明治時代)

現代の水炊きのスタイルを確立したのは、明治時代(1868~1912年)の福岡・博多とされています。

  • 中国・長崎の「白湯スープ」の影響

    • 長崎は鎖国時代(江戸時代)に唯一外国との貿易を許されていた都市で、中国料理の影響が強かった。
    • 長崎の華僑(中国人商人)が食べていた「白湯スープ(豚骨を煮込んだスープ)」が、博多に伝わる。
    • これが鶏肉ベースの白湯スープへとアレンジされ、水炊きの基礎となった。
  • 博多独自のスタイルが確立

    • 鶏ガラを長時間煮込んで白濁したスープを作る
    • 鶏肉と野菜をシンプルに煮込み、ポン酢で食べる
    • 最後に雑炊やうどんで締める

当時の博多は、水炊きを「宴会料理」として提供する店が増え、庶民にも広まっていったとされています。


② 昭和時代:全国への普及

昭和時代になると、博多の水炊きが東京や大阪にも広まり、全国的に知られるようになりました

  • 水炊き専門店の登場(戦後復興期)

    • 1940~50年代には、「水炊き専門店」が全国で増加。
    • 博多だけでなく、関西や東京にも広がる。
  • 家庭料理としての定着(1960~70年代)

    • インスタントスープや鶏ガラスープの普及により、家庭でも手軽に作れるようになった。
    • ヘルシーで栄養価が高いことから、健康志向の人々に人気を博す。

この頃から、水炊きは「特別な料理」から「家庭でも楽しめる料理」へと変化していきました。


3. 現代の水炊き文化と進化(平成~令和時代)

① 多様な水炊きの進化

現代では、さまざまなアレンジ水炊きが登場し、より幅広い層に楽しまれています。

  • 「トマト水炊き」「柚子水炊き」などの創作鍋が登場。
  • ブランド鶏(名古屋コーチン、比内地鶏など)を使った高級水炊きが人気に。
  • コラーゲンブームにより、美容食としての注目が高まる

② 海外での水炊きの人気

日本の食文化のグローバル化とともに、水炊きは海外でも注目を集める料理となりました。

  • ニューヨーク・パリ・シンガポールなどで「Japanese Hot Pot(和風鍋)」として人気
  • 「低カロリー」「ヘルシー」「発酵食品との相性が良い」ことから、健康志向の外国人にも受け入れられる。

4. まとめ:水炊きの歴史とその魅力

水炊きは、中国の鍋文化や日本の鶏鍋文化をルーツに持ち、明治時代の福岡・博多で独自に発展した料理です。

  • 奈良~江戸時代:鍋料理が日本に定着し、鶏肉の利用が増える。
  • 明治時代:博多で現在の水炊きスタイルが確立。
  • 昭和時代:全国に普及し、家庭料理としても定着。
  • 現代:多様なアレンジや海外展開が進み、新たな水炊き文化が生まれている。

これからも水炊きは、伝統を守りながら新しい形へと進化し、日本の食文化を支え続けていくでしょう。